■■■ profile ■■■
■時広真吾 (芸術監督)
山口県宇部市生まれ。「文学的な叙情」と評される時広真吾の衣装。独創的な感性で生みだすスタイルは、国内外の舞台で高く評価される。85年にオフィスリリック設立。ヤ91舞台衣装デザイン開始。以後、ユネスコ世界遺産記念コンサート、ユ97国立劇場新作じゃうるり、ヤ04マレーシア国立劇場「RASHOOMN」、新潟市りゅーとぴあ能楽堂シェイクスピアシリーズ(〜09年)。ユ06ルーマニア国際シェイクスピアフェスティバル、ヤ08ヨーロッパ5カ国の演劇祭に招聘公演、'11クアラルンプール、ペナンにて、舞台衣装展開催。舞台衣装のワークショップは国内外。和太鼓芸能集団鼓童・東儀秀樹・早乙女太一など幅広い分野で活躍する。ヤ近年は演出・構成なども精力的に行ない、06年国民文化祭・山口/美術工芸部門オープニングステージパフォーマンス、07年徳島県吉野川市市制三周年記念パフォーマンス、ユ11クアラルンプールパフォーミングアーツセンター、国際文化交流基金主催「時の夢」、中国・鎮江市主催日中合作パフォーマンス「七夕星物語」を担当。「四つの花の会」、国内各地で地元のアーティストたちと創る「美の種」プロジェクト等がある。これまで作品集「花軍」他、五冊上梓。デザイナー、写
真家、詩人、パフォーマーをこなし、海外ではオールラウンド・アーティストとして評価される。http://www.shingotokihiro.com
■藤枝守 (音楽監督&作曲)
カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号
(Ph.D. in Music) を取得。作曲を湯浅譲二、モートン・フェルドマ
ンらに師事。ハリー・パーチ、ルー・ハリソンに影響されながら、
純正調によるあらたな音律の方向を模索。植物の生体情報である電
位変化のデータに基づく『植物文様』という作曲シリーズを展開。
CDに《Patterns of Plants》《クラヴィコードの植物文
様》《今日は死ぬのにもってこいの日:植物文様ソングブック》など多数。著書に『増補
響きの考古学』( 平凡社ライブ ラリー) など。また、金沢21世紀美術館、茨城県近代
美術館などでサウンド・インスタレーションも手がけている。昨年
12月にアイルランドを拠点とするアンサンブルYurodnyとのコ
ラボレーションで小泉八雲に基づく《Hi-Mawari》をダブリン
で初演。現在、九州大学大学院芸術工学研究院教授。
■寮美千子 (詩)
1986年毎日童話新人賞受賞。1992年アジアン・カルチュラル・カウンシルの奨学金を得てアメリカを訪れ、先住民の居留地を旅する。2004年兵庫県立西はりま天文台の2メートル望遠鏡「なゆた」完成記念絵本『遠くをみたい
星の贈りもの』(画・東逸子、パロル舎)を制作。2005年大人を主人公とした最初の小説『楽園の鳥
カルカッタ幻想曲』(講談社)が第33回泉鏡花文学賞を受賞。同年、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の助成を受けて制作した絵本『イオマンテ
めぐるいのちの贈り物』(画・小林敏也、パロル舎)が小学館児童出版文化賞候補作に選出。2009年ファンタジー小説『夢見る水の王国』(角川書店)を発表。その他、幻想小説『雪姫
遠野おしらさま迷宮』(兼六館出版)、先住民文化関連絵本『父は空
母は大地 インディアンからの手紙』(画・篠崎正喜)など多数。和光大学非常勤講師。日本文藝家協会会員。
『大地への祈り』(原詩/ナウマン博士 訳/寮美千子
)
緑なす山々も 大地も
すべては 大海原に呑みこまれた
太古の 奇しき生き物たちは
深き海の底で 安らかに眠る
やがて 大いなる力で 押し上げられ
再び 輝ける日の光のなかへ
そして 人類がやってきたのだ
そして 人類がやってきたのだ
誰が知る この詩の結末を?
誰が知る この詩の結末を?
『翡翠麗し』(漢字版)
微かな風に 震え怯えて
白露の玉 零すぬえ草
大和人らが 統べる地なれど
祈りの心 大地に満ちて
我らは死なず 永久に滅びず
野にある草の 芽生えるごとく
緑は萌える 永久に常磐に
祈りは満ちる この国原に
ああ永遠に 時の果
てまで
翡翠の玉に 緑麗し
微かな風に 震え怯えて
白露の玉 零す人草
大和人らが 統べる地なれど
祈りの心 大地に満ちて
我らは現在も ここに息づく
野にある草の 芽生えるごとく
緑は萌える 永久に常磐に
祈りは満ちる この国原に
ああ永遠に 時の果てまで
翡翠の玉に 緑麗し
翡翠の玉に 命麗し
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