「漆器の素地(木地)について」
素地づくりの技法により指物・挽物、曲物、刳物に分類される。
それぞれの技法に適した樹種が用いられるそれぞれの技法に適した樹種が用いられる
「指物」
板材、角材を留、組手、矧手などの仕口工法により組み立てる。大きなものも可能。垂直、水平が基本。茶道では京指物、江戸指物がある。棚、仏壇、重箱、卓など
「挽物」
木工ロクロの回転力を利用し、ロクロ鉋で削り成形する。同心円の造形、量
産可能。挽物産地は漆器産地でもある。椀、皿、盆、鉢など
「曲物」
厚さ2ミリ〜4ミリのへぎ板を円形、楕円形に曲げ、桜皮で閉じ、底板、蓋付をする。秋田、木曽が産地。弁当箱、盆、櫃など
「刳物」
刳るは「えぐる」こと。穴を刳り抜いたりノミ、彫刻刀で彫ること。木塊から荒彫り、内刳り、外刳り、仕上げまでの手仕事に頼るので量
産 不向き。 他の技法では表現し得ない奔放な曲線、量
感が特長。
■漆人・瀬尾 新 プロフィール
1947年生まれ。富山市在住。 1968年父・瀬尾孝正に師事「漆彫」の道に入る。父没後、衣鉢を授かり二代目を継ぐ。
1968年初個展(富山県民会館)以降、県内や岐阜、大阪などで展覧会を開催している。